« 2008年12月 | トップページ | 2009年2月 »

2009年1月

2009年1月30日 (金)

小物少々

サフにより浮き出た傷をパテで埋め,乾燥を待つ間に,小物を作ります。

P1010036 ご覧のようにウインドシールドが思いっきり黄変していたので,キットのパーツを元に,塩ビ板のヒートプレスで作り直します。
まずは,パーツの内側に離型剤(私は使いきれなかったリップクリームを使用しています)を塗りたくり,エポキシパテを詰めます。
使用したのはタミヤの高密度タイプです。
冬場は3日経っても弾力が残り,カチカチにならないこともありますが,このような用途にはむしろ都合が良いのです。

P1010058 パテが完全硬化する1・2歩手前で,キットのパーツからパテを外します。
微妙に弾力が残っているせいで,外しやすいと思います。

パテを外したら,完全硬化を待った後,表面を瞬着や溶きパテで整え,コンパウンドで磨いてつるつるにします。
その後,「足」を作ります。
私は写真のように,適当に穴を開けて割り箸を接着することが多いです。
手軽なので。

足を着けたら,いよいよヒートプレスです。
0.3ミリ厚の透明塩ビ板を使用します。
透明塩ビ板についてですが,私はいつも渋谷の東急ハンズで購入していますが,なかなか透明度も高く,しかも10年程度では黄変しないので(品質が今も維持されている事が前提ですが),お勧めです。
もっとも,塩ビの黄変は,個人的には保管状況等に左右される部分が大きい気がします。

言うまでもありませんが,この塩ビ板を熱して柔らかくした物を,型に押し付けてウインドパーツを作るわけですが,大きなポイントは,型と塩ビ板双方の表面が滑らかであることだと思います。
型の表面については,様々なところで説明されている有名な話だと思いますが,私はむしろ塩ビ板の表面の方が重要だと思います。
透明塩ビ板の表面は静電気のためか,無数の埃がついていることがあります。
これをそのままにしてヒートプレスすると,型と塩ビ板とで挟まれた埃の形までパーツに反映され,何だか表面がボコボコしたパーツになってしまうのです。
この点は,プロの作品でも意識してないと思われるものが多いですが,箱車のフロントウインド等,大きな面積のパーツでは,ヒートプレスの出来は完成度に大きく影響すると思います。
私は塩ビ板を熱する直前に,不織布のウエットティッシュで拭き,埃を除去していますが,これをするだけで仕上がりが本当に大きく変わってくるので,お勧めです。

塩ビの埃を除去したら,型に接着した割り箸を膝で挟んで,スタンバイします。
その後,塩ビをライターで熱し,クタっとなった所ですばやく型に押し付けます。
「押し付ける」とうよりは,「絞り込む」といったイメージです。
肝心の写真がありませんが,何分一瞬が勝負の作業なので,ご勘弁を。

P1010055 こんな感じになります。
塩ビを切らないと型から外せないぐらいに絞り込むのがコツです。
この方法で上手く絞り出せないような複雑な形状のパーツの場合,バキュームフォームといった技法を考える必要がありますが,今回の程度であればこのように非常に簡単に作成できます。

P1010061 今回は運転席分と助手席分の2個のパーツが必要なので,5個ほど絞り出したうちの状態の良いものを2個選んで使用しました。
適当に切り出し,現物合わせでボディのリップに合わせます。
ちなみに私は,このようなウィンドパーツの合わせ作業は殆どナイフで行います。
ペーパーで無用な傷をつけて曇らせるよりも,ナイフで削っていく方が仕上がりもキレイだと思います。
新品の刃に替えたデザインナイフでコンマ数ミリずつ削っていけば,意外と簡単です。
神経はとても磨り減りますが。

P1010047
外径4ミリのプラパイプの内側を,ポンチで打ち抜いた0.3ミリ厚プラ板で塞いだ物を,扇形に切った1.2ミリ厚プラ板に貼り付けます。
更に長さ2ミリ程に切った約3ミリ径のランナーを,いわゆるリューター旋盤で砲弾状に成形し,そのセンターに0.9ミリ径の穴を開けたものを組み合わせ,こんなパーツを作りました。


P1010051 こんな感じになります。
キットでは彫刻での処理になっていたのですが,特にステアリングコラムの形状が不正確な上,後の作業効率も悪いと思われましたので,作り直したのです。


P1010046 ついでにステアリングも作り直しです。
写真右のキットパーツを見て分かるように,古い箱車ヨンサンキットでは必須作業とも言えますが,形状も簡単なので適当にやっつけます。
0.8ミリ径の真鍮線を焼きなまし,7ミリ径の棒に巻きつけてリングを作り,これに0.3ミリ厚の真鍮板を切り出して作ったスポークをハンダ付けし,更にスポーク中央に0.9ミリの穴を開け,同径の真鍮線をハンダ付けして作りました。

P1010060割れてしまったタイヤは,瞬着で接着・整形し,自作の「黒ゴム色」(前作の作成中にも登場した,つや消し黒+半つや黒+白です)で塗装しました。
整形中に気付いたのですが, どうもタイヤパーツの材質はABS等の樹脂ではなく,硬くなったシリコンゴムのようです。
ヨンサンでは経年変化でタイヤが硬くなるのはよくある話ですが,私はここまでカチカチになった物を見たことは無かったのです。
今後の経年変化が心配されますが,既に「硬化」も完了したと言うぐらい硬くなっていますし,これ以上駄目になることは無かろう(駄目になったらそのとき考えよう)と思い,そのまま使いました。
何より形状が良いのです。自作しようとしても,今の私の技術ではこれ以上のタイヤは作れないと思います。

タイヤが仕上がったら,車高調整します。
私は,安価で身近で高い平面度を持つ物として,鏡を使用することが多いです。
古いキットには珍しく,前輪の高さを少々調節する程度で,簡単に決まりました。

P1010062 何とか今月中には下地まで終わらせたかったのですが,なかなか時間が取れません。
次に時間が取れるときまで,小物類は100円ショップで買った小物入れに保管してきます。
中に化粧用コットンを敷いて,傷がつくのを防いでいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月18日 (日)

ボディ改修

このキットは,助手席を覆う大きなトノカバーがついた使用になっているのですが,このような使用のSR2は,どこを探しても見当たりませんでした。

大きなフィンのついたSR2は世界中で2台しか生産されず,時代やレースによって,細部が微妙に変化していたのですが,トノカバーを着けて出場したレースがあったのかも知れませんね。

このキットは「CHEVROLET CORVETTE SR2 BILL MITCHEL 56」という品名になっているのですが,ひょっとしたら,ノーマルSR2をビル・ミッチェル(コルベットに大きな影響を与えた人です。)がカスタムしたものということなのかもしれません。
ちなみに,私は見たことがありませんが,プロバンスからは,このキットが発売される以前にもSR2のキットが出ています。

P1000974 いずれにせよ,私のイメージするSR2には,このようなトノカバーはついていませんので,油性ペンでマークした箇所をカットします。
黒斜線部分は完全にはカットせず,一段掘り込む部分です。

P1000995 助手席にもウィンドシールドが着くので,プラ板でリップ部分を作ってやります。
運転席のものと左右対称にするのは非常に難しいですが,パテを盛っては削り,というのを地道に繰り返し,何とかサマになりました。
ちなみに写真の状態以後,納得のいくまでは5回ほど修正を繰り返しています。


P1000981 フロントグリルにはナンバープレートが一体成形されていましたが,これもイメージとは異なるため削り落とし,グリル部分を成形します。

キットに手を加える場合,大方の成形が済んだら,溶きパテを塗って,形状を視認しやすくします。

P1000983 お尻の部分もナンバープレートを削り落とし,成形しました。
私がレジンキットを成形する際は,ナイフで大まかに削り(ハセガワのサーフェスナイフが大活躍します。),濃い目に溶いた溶きパテを塗った後,320番のペーパーで仕上げています。
後述するソフト99のプラサフは粒子が非常に粗いため,320番の傷でもかなりの部分が埋まってしまうのです。

P1000996P1000999ボディサイドのエアインテークは塞がってしまっていたので,BMCタガネの0.2ミリ等を使って,地道に深く掘り込みました。

仕切り部分が邪魔で,作業しづらかったのですが,開口して仕切り部分を作り直すよりはマシかと思い,掘り込みで処理しました。

P1000984  内装は,よく見るとシートの形状が大きく異なっていました。
90年代のGTカーのようになっていたのですが,流石に50年代の車のシートとしては使えないので,殆ど原型を留めない状態まで改修しました。
このような小さいパーツの大改修は,パーツの保持が困難なので,ある程度成形が済むまでは,センターコンソール部分と一体のままで作業を進め,殆ど成形が終了した後で切り離します。

P1000977 シャシー板は以前書いたように,レジン製の板が歪んでしまっていたので,0.3ミリと1.2ミリのプラ板を重ねて,1,5ミリ厚のプラ板を作り,切り出しました。
経年変化を考えるのならアクリルやABSを使う方が良いのでしょうが,スチロール板でも,無理な負荷がかからなければ,そうそう変形したりはしません。

P1010031_2 一通り成形が終わり,最後に3Mのスポンジ研磨剤の極細目(320~600番相当。強くかけると320番,弱くかけると600番だそうです。)をボディ全体にかけて,一皮剥いてシャキッとさせてやります。
こんな作業を前回の更新以降ずっと続け,漸く1回目のサフを吹くところまで来ました。
この後,サフにより見えてきた傷を埋めたりしていきます。


P1010032 ちなみに,私は,レジンやメタルキットには,ソフト99のプラサフを愛用しています。
以前も書きましたが,1回目のサフは缶スプレーで手軽に吹きたいのですが,実用的なプラサフの缶スプレーとしては,現段階では他に選択肢が無いと言って良いでしょう。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 3日 (土)

下ごしらえ

所謂レジンキットを作るときは,何よりもまずはパーツの洗浄をします。
最終的にパーツ表面は殆どペーパーをかけるため,その際に離型剤も落ちるのですが,改修段階でも離型剤が表面に付着していると,パテや接着剤の乗りが悪くなる上に,あちこち触っている内に,手に付着した離型剤が塗装時に思わぬトラブルを引き起こすことがあるからです。

洗浄後,気泡を埋めます。
パーツ表面の目立つ所には気泡も出ていませんが,ボディ下面には結構な気泡がありました。
P1000959 パッと見には分かりませんが・・・




P1000962 表面を真鍮ブラシで叩くと,薄皮の下から無数の気泡が。
気泡の上にレジンの薄皮が張って,隠れていた物です。
こいつを残しておくと,研ぎ出しのときに塗膜がポコっと凹んだりして致命的なことになるので,しっかり処理します。
薄皮の下の気泡を発見するには,蛍光灯に当てたりして透かして見ると良いでしょう。

P1000963 これをパテで埋めていくわけですが,細かい物一つ一つにパテを詰めるのは面倒なので,ざっくり削ってしまいます。
細かい気泡の奥にはパテが入り込みにくいからです。
それにしても少々大胆に削りすぎた気もします。

P1000966 そして,ベビーパウダーと瞬間接着剤を混ぜた瞬着パテを擦り込みます。
瞬着パテは粘度が高く,気泡の奥まで埋めるのは難しいため,まずは瞬着を刷毛で塗り,その上からパテを乗せています。
レジンへの食いつきも上々です。

P1000972

パッと見て分かる気泡があらかた埋まったら,今度は筋彫りです。
今回もキットの筋彫りは繊細で綺麗な物だったのですが,塗装で埋まってしまうことは必至と思われたため,狭く深い物にしています。

筋彫りには,主に写真に写っている道具を使用します。
一番下はスジボリ堂の「BMCタガネ」0.15ミリで,まずはこれでキットのスジボリをなぞるようにして深くしていきます。
最近導入したのですが,非常に楽に,細い筋がスルスルと彫れます。
ただし,あくまでも0.15ミリと言うのは先端部分の厚さで,刃先から1ミリほどの部分の厚さは0.3ミリほどになってしまうので,あまり深く掘ることはできません。

真ん中はフィニッシャーズの「ケガキニードル」で,きつい曲線部分など,タガネでは深く掘れない箇所を深くするのに使います。
鋭利な上タングステン製で磨り減りにくく,模型用ケガキ針としては私の知る限り最高の性能を持っているのではないでしょうか。
針が長いため,先端が少々ぶれやすいのが難点です。

一番上がハセガワの「筋彫り用エッチングノコ」です。
BMCタガネで筋彫りをし,サフを吹いた後で更に筋彫りを深く,細く掘るために使います。
0.1ミリ厚で,一定の厚さのまま細く深い筋が彫れますが,手が痛くなったり,ふにゃふにゃと曲がりやすかったりするため,作業効率はあまり高くありません。
BMCタガネ導入後は大分楽になりましたが,それ以前はこれで一から筋彫りをしていたため,手が腱鞘炎になりそうなくらいでした。
作業性向上のために雲母堂本舗の筋彫り用具が欲しいのですが,品薄のため未だ入手できていません。

筋彫りについては,下記サイトが非常に参考になります。
http://white.sakura.ne.jp/~first_fast/Column/31.htm

P1000968スリットは新造するのではなく,掘り込んで対処しました。
写真上半分と下半分とで,溝の深さが違っているのがお分かりいただけるでしょうか。

と,ここまでが,レジンキットを作る場合の私の一般的な下ごしらえで,この後塗装に進むわけなのですが,やはり気になる部分があるので,もう少し塗装前の作業が必要なようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年12月 | トップページ | 2009年2月 »